ご質問

セメント瓦にはどのような種類がありますか?

回答

和形・平板型・コンクリート瓦・スレート瓦といったものがあります

ただし、もともと強度が低く割れやすいことから屋根材としては適しておらず、現在ではセメント瓦が使われることはあまりありません。

セメント瓦はセメントと砂、または、セメントを原料とし、型枠にいれてプレス・脱水・成型したものです。それ以前の釉薬瓦は焼きものなので精度が出せず、寸法が均一な瓦の製造が難しかったのですが、その問題が解消できる上に生産性も高いことから、セメント瓦は戦後大都市の復興用屋根材として大量に生産されました。重量も、釉薬瓦とほとんど変わりません。

現在の主流は表面にアクリル塗装や水系樹脂塗装、フッ素系樹脂塗装などを施したものになっています。

こちらは築27年のお宅の屋根のセメントかわら、和型形状です。7年に一度塗り替えていましたが、とうとうヒビが入り始めました。雨漏りをおこしている部分の瓦をめくり下地を見てみると、ルーフィング(防水紙)に雨のシミができてしまっています。また瓦の止め方ですが、横木(桟木)を使わずに釘で直接下地に止めていましたので釘の劣化が心配です。

築40年のお宅のセメント瓦、平型形状のものです。「セメント瓦」というと、こちらの瓦を想像される方が多いのではないでしょうか。
このくらい古いセメント瓦になると、割れるのを覚悟の上でメンテナンスをしないといけません。瓦の下地のルーフィング(防水紙)もこの通りまったく役目を果たしていません。屋根の下地の木材を傷めそうです。

築28年のお宅の屋根の写真です。鬼瓦には完全にヒビが入ってしまっています。おそらく、製造工程での瓦の圧縮不足が原因でしょう。また、瓦の下の下地を見てみますと、瓦を引っ掛けているベニア板(ベニア板は薄い板を何枚も重ねて接着剤で貼っている合成材)で作られた横木(桟木)が腐食し、バラバラになりそうです。将来的には、瓦がズレる恐れがあります。

築30年のお宅の屋根のセメント瓦です。瓦にヒビが入りかけの状況で、瓦の下のルーフィング(防水紙)にはシミができており、偶然見つけましたが施工時の瓦の破片を見つけました(隠されていました)。
セメント瓦の裏側をみると、瓦の端々から給水をしシミになっていることがわかります。

築40年のお宅の屋根の雨漏りを点検して来ました。屋根に登ると数枚の瓦に穴が開いていました。おそらく製造当初のものは瓦を高圧でプレスしていないので、瓦のセメントがスカスカなのでしょう。昨今の問題でもある酸性雨などで表面が荒れ、穴が開いたようです。

現在では、モニエルかわらが代表的なセメント瓦です。昭和48年に西欧より技術導入されて作られていて、洋風フラットタイプが主流です。
材質はセメント量が少ない硬塗りのモルタルを使っています。アスベストは入っていません。とても頑丈な瓦なのですが、色が褪せると塗装が難しいのが欠点の瓦です。