セメント瓦の色褪せ、ヒビや割れが気になっています。塗り替え・リフォームの費用はどれくらい?
解決策・アドバイスモニエル瓦の塗装には注意が必要。いい加減な塗装をすると1〜2年もすれば塗装が剥げてきます
モニエル瓦は特殊なセメント瓦です。表面の塗膜とセメント層の間にあるスラリー層(着色したセメント層)をキレイに除去しなければスグに塗装が剥げてしまいます。
モニエル瓦もセメント瓦の一種です。また、コロニアルやカラーベストなどのスレート瓦であり、それらが5〜10mm程度の薄い板材であることから「薄型スレート」と呼ばれるのに対して、厚さがあるモニエル瓦は「厚型スレート」と呼ばれます。
さて、このモニエル瓦ですが、コロニアルやカラーベストなどの薄型スレートとも、和型・平型などのいわゆるセメント瓦とも異なり、表面の塗膜(塗装面)とセメント層との間に、「スラリー層」と呼ばれる着色したセメント層があるのが特徴です。高度な成形技術により製造され、寸法精度が高いことから施工性が高く、耐久性や断熱性も高い。そんな、とても優れた屋根材ではあるのですが、「スラリー層」が存在するためにメンテナンスに手間がかかる・面倒という欠点があります。
再塗装を行う際には、表面の塗膜をキレイに落とし、その下にあるスラリー層を高圧洗浄、および、ケレン(ヤスリで擦って汚れ落とし、新たに塗る塗料の付着を良くする作業のこと)で丹念に落とし、モニエル瓦専用の強化プライマーで下地を作った上で新しい塗料を塗り仕上げます。もしこの手間を掛けなければ、新たに塗った塗料が1〜2年もすれば剥げてきてしまうのです。
とても手間と時間がかかる作業になりますので、「モニエル瓦はお断り」という業者も存在します。また、もしかすると、それを知っておきながらいい加減な塗装をする業者もいるかもしれません。ですので、モニエル瓦の塗装をされる際には、キチンとしてくれる業者、信頼がおける業者へ依頼してください。
また、和型や平型などのいわゆるセメント瓦と同様、モニエル瓦も現在ではあまり製造されていません。これはメーカーの都合・事情などによるものなのですが、瓦にヒビが入ったり割れてしまったりした場合、替えの瓦が手に入らない可能性が高いです。そうした事情もありますから、今あるモニエル瓦を大切にしてあげてください。